通訳との働き方
お久しぶりです。この間約10か月間のプロジェクト支援が終わり、ひと段落つきました。そのプロジェクトの間に通訳として3年目を迎え、色々ありましたが何とか無事に終わることができました。そのプロジェクトは通訳として働き始めた企業とは別の日系企業でした。この2年半の経験の中で学んだ通訳と働く際のポイント(周囲からの話も含む)をまとめようと思います。
通訳としてお金をもらっているので、当然お客さんにあーしてほしいこーしてほしいという前に通訳としてお客さんを満足させられるスキルを得ること必要です。(私はあまりにもひどい場合以外は特に言いません) しかしながら、お客さんの協力があればより「速くて正確」な通訳ができると思っています。また、通訳を始めたばかりの人ともお互いストレスが少なくやっていけると思います。
(※通訳における速さ・・・通訳を介して会話するということは、直接会話するより時間がかかります。お客さんが話したことをそのまま相手に伝えるのが通訳の仕事なので、単純に言えば10秒話したら10秒話すことになります。直接話すより倍の時間がかかるので、通訳における速さも重要です。)
では、ポイントを見ていきましょう。
ポイント①:トピック(主語)を明確に
通訳してほしいテーマを会話の最初に言うことです。「○○のことなんだけど」や「○○に
ついてだけど」とこれだけを付けるだけで通訳するトピックが明確になります。そうす
ると私たち通訳は、依然話したことなら記憶を引っ張り出し、新しいことなら新しいこ
となんだなと認識します。会議の場合は議題がこれにあたります。
ポイント②:内容を明確に
これは通訳の内容が質問なのか、相談なのか、報告なのか、確認なのか、指示なのか、
依頼なのか等を明確にすることです。毎回必要なわけではありませんが、通訳になった
ばかりの人と働くときには助けになると思います。
ポイント③:結論を最初に言う
世界にはたくさんの言語がありますが、全ての言語の文法が同じわけではありません。
語順が逆になるものも多いです。この場合、話の順番が通訳の速さにも関係してきま
す。例としては「○○についてです。○○は△△でした。理由(原因)は。。。。です。」と
言うような感じです。
ポイント④:文はシンプルに
これも各言語の違いによるものです。例えば日本語で「○○の△△は、□□で、●●で、
▲▲ しないといけないけど、みんな忙しいけど、日本では◇◇をやってこの対応をして
いて、もちろんメキシコは日本と違うことはわかっているんだけど。。。」等の文はど うしても即時通訳することは難しいです。例え、日本語でものすごくわかりやすい説明 をしたとしても、文法の違いにより即時通訳が難しいことがあります。なので「○○の
△△は、▲▲しないといけません。それは□□で●●だからです。日本の場合◇◇をして対
応しています。メキシコと日本は違うけれど。。。」などと文を短く切ってもらえる
と、速く通訳ができます。
ポイント⑤:わかりやすい語彙をつかう
通訳はもちろん専門用語を理解しないといけません。専門用語も各会社や人により微妙
に呼び方が違ってきます。通訳はそれらを勉強し理解しないといけません。それを前提
とした上での話です。ここで言いたいのは一般的でない言葉は使わないということで
す。この問題にはあまり出会ったことはありませんが、通訳になったばかりの人と働く
ときは意識してもらえるとお互いに仕事がしやすくなると思います。
ポイント⑥:通訳する時間を与える
この点はポイント④とも関連します。一文を言い終わった後、少し通訳する時間をあげ
てください。議論がヒートアップしたり、思いを熱く語っているとなかなか文が切れま
せん。同時通訳はものすごく難しいです。通訳の人に通訳する時間を与えることを意識
してもらえると嬉しいです。
主なポイントは以上です。もちろん通訳と仕事をする時に常に全てを意識する必要はありません。これらのポイントは通訳との仕事をよりスムーズにする助けになるものと思ってもらえたら嬉しいです。あと、いくつかは普段のコミュニケーションにも大事なことですね。言葉ができてもコミュニケーションが取れない人はいるものです。逆に言葉ができなくてもコミュニケーションできている人もいます。コミュニケーションには言葉よりも大事なものがあるということだと思っています。
通訳は難しい仕事です。言葉ができるからと言って通訳ができるわけではありません。私は幸い楽しく仕事ができていますし、今の仕事が好きなので、通訳になれてよかったと思っています。
ではまた次回。
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